セキュリティエンジニアとは?仕事内容からスキル、年収まで解説

著者 Robert Half on 2023 年 8 月 25 日
この記事は約3分で読めます

昨今、DX推進やIoTなど、生活のあらゆる面でデジタル化が急速に進む中、サイバー攻撃による個人情報の漏洩や顧客のデータの流失といった問題が多発しています。それにともない、サイバーセキュリティー対策の重要性はかつてないほど高まり、セキュリティエンジニアの需要も急増しています。

​​本記事では、仕事内容、必要なスキル、平均年収や将来のキャリアパスまで、セキュリティエンジニアという職種を様々な面から徹底解説します。​


セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容は多岐にわたりますが、その共通の目的は情報システムやネットワークを外部からのサイバー攻撃やリスクから守ることです。具体的な業務内容は、情報セキュリティポリシーの策定、ネットワークセキュリティの構築、脆弱性のテストと対策、運用・保守などが挙げられます。

業務内容の工程が、「企画・提案」「設計」「実装」「テスト」「運用」のフェーズに分かれていることは他のエンジニア職と共通していますが、担当範囲が情報セキュリティ関連に特化していることが他のエンジニア職と異なるところです。

セキュリティエンジニアの各フェーズでの役割は下記の通りです。

  • 企画・提案:クライアントの要求やニーズを理解し、セキュリティ対策を提案します。このような業務を担当するセキュリティエンジニアは、「セキュリティコンサルタント」とも呼ばれます。個人情報保護法が施行されて以降は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)や、プライバシーマーク取得も業務の一つとなっています。
     
  • システム設計:セキュリティを考慮しつつ、ネットワークやシステムの構築プランを策定します。ここ数年のデジタル化の促進に伴い、データをクラウドで管理するケースが増えているため、クラウド構築ができるエンジニアのニーズが高くなっています。
     
  • 実装:提案通りのシステムを実際に構築し、セキュリティ要件を満たすように配置や設定を行います。
     
  • テスト:システムの脆弱性を発見するためのテストや検査を行うほか、脆弱性への適切な対策を講じます。
     
  • 運用・保守:システム導入後、日々の運用においてセキュリティを維持し、障害や攻撃からシステムを守るために管理・保守業務を継続的に行います。常に最新の情報にキャッチアップし、状況に合わせてセキュリティをアップデートすることや、実際にサイバー攻撃を受けた場合の事故対応スキルも求められます。

コロナ禍以降、テレワークやクラウド環境が急速に普及しました。これにより、新しいセキュリティリスクが生じています。セキュリティエンジニアは、クライアントや企業の貴重な情報を守るために、常に最新のセキュリティ技術や脅威に対する知識を習得し、効果的な対策を提供する必要があります。

これまで以上にセキュリティの重要性が高まる中、セキュリティエンジニアの役割と責任はますます重要視されています。


セキュリティエンジニアに必要なスキル

次に、セキュリティエンジニアになるために役立つスキルについてご紹介します。

  • ネットワークセキュリティに関するスキル:ネットワークの脆弱性を評価し、対策を実施する能力が必要です。ネットワークセキュリティの基本から高度な知識まで幅広く学びましょう。
     
  • システムセキュリティに関するスキル:システムやアプリケーションの脆弱性を評価し、適切な対策を実施するスキルが求められます。セキュリティのプラクティショナーとして、システム全体の保護を考えましょう。
     
  • サイバー攻撃に関する知識:攻撃者の視点からセキュリティを考え、新たな脅威への対策を検討するスキルが求められます。
     
  • プログラミングスキル:セキュリティ対策の実装や脆弱性の評価にはプログラミングスキルが必要です。特にセキュリティに関するプログラミングの知識を身につけることは重要です。
     
  • コミュニケーションスキル:セキュリティエンジニアには、クライアントとのコミュニケーションやチーム内でのコラボレーションが求められます。セキュリティの知識を分かりやすく伝える能力が求められます。
     
  • 倫理・道徳意識:情報の悪用や不正アクセスなどのリスクを理解し、倫理的な行動が求められます。クライアントの信頼を守るためにも、高い倫理意識が必要です。

セキュリティエンジニアに役立つ資格

セキュリティエンジニアとして、自身のスキルアップを考えているのであれば、以下のような資格を取得すると良いでしょう。

  • 情報セキュリティマネジメント試験:情報セキュリティ全般の知識から管理まで幅広い分野についての基本的な知識を問われる国家資格です。セキュリティの入門資格として取得しやすく、基礎的な知識を身につけるのに適しています。
     
  • 情報処理安全確保支援士試験:サイバーセキュリティに関する最難関の国家資格で、情報セキュリティの一般知識から要素技術まで広範な知識が求められます。
     
  • 基本情報技術者試験/応用情報技術者試験:どちらも情報処理に関する国家資格で、基本情報技術者試験からスタートし、応用情報技術者試験へと進むことで幅広いITスキルを磨くことができます。
     
  • シスコ技術者認定:ネットワーク機器メーカーのシスコシステムズが提供するセキュリティ関連の資格で、「CCNA Security」や「CCNP Security」などの認定資格があります。これらの資格を取得することで、セキュリティエンジニアとしての専門知識を証明することができます。
     
  • CompTIA Security+:CompTIA Securityが実施しており、国際的に認知されている資格です。ネットワークセキュリティ、コンプライアンスと運用セキュリティ、脅威と脆弱性、データ、アプリケーション、認証マネジメント、暗号化などの分野から知識を問われます。幅広いセキュリティ領域に関する基本的なスキルを証明するのに適しています。
     
  • ネットワーク情報セキュリティマネージャー資格(NISM):セキュリティの専門家を育成するための資格試験で、セキュリティマネジメントや攻撃対策に関する幅広い知識が必要です。
     
  • 公認情報セキュリティマネージャー(CISM):国際的な資格で、セキュリティプログラムのマネジメントや設計、監督などを行う情報システム監査人を対象としています。情報セキュリティ管理に関する5年以上の実務が必要です。
     
  • セキュリティ プロフェッショナル認定資格制度(CISSP):国際的なセキュリティ資格で、セキュリティ共通知識分野(CBK)の8つの領域に深い知識を有していることを示すものです。
     
  • Offensive Security Certified Professional(OSCP):ペネトレーションテストの認定試験で、攻撃対象への侵入や特権昇格といった技術力を証明する資格です。

自身のスキルアップとキャリアの展望を広げるためには、資格だけでなくこれらのスキルや実務経験も重要です。


セキュリティエンジニアの平均年収

セキュリティエンジニアの年収は、経験やスキル、所属する企業によって大きく変動します。セキュリティエンジニアの平均給与や、IT分野における最新トレンドは、ロバート・ハーフの給与ガイドをご参照ください。

セキュリティエンジニアの需要は高まり続けており、今後もさらに高い市場価値を高めていくことが考えられます。

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セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアのキャリアパスは多岐にわたります。現場で経験を積みながら、プロジェクト・マネジャー(PM)やプロジェクト・リーダー(PL)としてマネジメントを担う道や、専門性を高めて技術を追求し、ITスペシャリストになる道もあります。その他には、エンジニアとして培った技術的な経験やスキルを活かして、ITコンサルタントやセキュリティ企画のポジションに転じるケースもあります。

セキュリティエンジニアを求める企業は増加しており、その需要はますます高まっています。将来的にも需要が伸びることが予測されており、セキュリティエンジニアは幅広い業界で活躍することができるでしょう。

キャリアパスが多様なため、個々の志向や目標に合わせて選択することができます。どの道を選ぶにせよ、セキュリティエンジニアとしての知識とスキルは、多くの分野で活躍する基盤となるでしょう。

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まとめ

セキュリティエンジニアは、急速に進化するデジタル時代において非常に重要な存在となっています。ロバート・ハーフでは、サイバーセキュリティーに特化した専門チームが、転職のサポートを提供しています。転職やキャリアに関するご相談は、お気軽にロバート・ハーフにご連絡ください。

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